アジアと欧米:
コミュニケーションの
文化差から
言語の獲得過程を探る

Eventイベント情報

Introductionはじめに

言語も文化も異なる
アジアと欧米の6言語の比較を通して
乳幼児の言語獲得メカニズムを
解明したい。

研究内容イメージ

乳幼児はどのようにして周りの大人が話している言語に興味をもち言語を獲得していくのでしょうか?
世界には様々な特徴をもつ言語が存在します。
言語によって、語順などの統語的特徴、語彙の特性、母音や子音の種類や韻律などの音韻的特性など多くの違いがあります。
けれども、乳児はどの言語環境に生まれても生後数年の間に自然に母語を話すようになります。
このような、自然な言語の獲得はどのようにして可能になるのかを研究します。

研究代表者
理化学研究所 脳神経科学研究センター
脳発達分子メカニズム研究チーム
言語発達研究班
馬塚れい子

Projectプロジェクトのご紹介

従来研究を牽引してきた英語やフランス語のような欧米言語と、日本語、韓国語、中国語、タイ語のようなアジアの言語には、統語や音韻体系などの言語特性以外にも、乳児が言語を学ぶ主たる環境である母子間のコミュニケーションスタイルにも文化差があるとされています。
JEWELプロジェクトでは、欧米言語とアジア言語の間にあるそのような文化差に注目し、これらの6カ国の言語を学ぶ乳児とその母親を総合的に観察、比較することで解明しようとしています(表1)。

地域 言語 主節 従属節 形容詞 リズム 単語韻律
東アジア 日本語 SOV 後置 形名 モーラ ピッチアクセント
韓国語 SOV 後置 形名 音節? 無し
東南アジア 中国語 SVO 後置 形名 音節? 4トーン
タイ語 SVO 後置 名形 音節? 5トーン
北米 英語 SVO 前置 形名 強勢拍 強勢拍
欧州 フランス語 SVO 前置 名形 音節 無し
表1

主な調査内容

調査内容イメージ1

音声発達過程の言語差

行動実験で、乳児の音声発達過程の言語差を調べる。

調査内容イメージ2

対話のスタイルの文化差

行動実験や録音実験で、母親と子供の対話のスタイルの文化差を調べる。

調査内容イメージ3

乳児が何に注意を向けているのか

行動実験や眼球運動測定実験によって、乳児は母子のコミュニケーションからどのような情報に注意を向けているのかを調べる。

Research Team研究チーム

国際共同研究拠点

国際共同研究拠点マップ

海外研究協力者

  • Youngon Choi (韓国 Chung-Ang University)
  • Alejandrina Cristia (フランス ENS)
  • Thierry Nazzi (フランス INCC)
  • Judit Gervain (イタリア University of Padova)
  • Chutamanee Onsuwan(タイ Thammasat University)
  • Leher Singh (シンガポール National University of Singapore)
  • Henny Yeung (カナダ Simon Fraser University)

国内研究チーム

  • 馬塚 れい子(理化学研究所 CBS 言語発達研究班)
  • 辻 晶(東京大学IRCN)
  • 窪薗 晴夫、小磯 花絵(国立国語研究所)
  • 田中 章浩(東京女子大学)
  • 石原 尚、*浅田 稔、*吉川 雄一郎(大阪大学)
  • 宇都木 昭(名古屋大学)
  • 酒井 弘(早稲田大学)
  • 川原 繁人(慶應義塾大学)

(*研究協力者)

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